今年の1月に観たってのに激遅い感想なのは別バージョンのDVDを買ったからです。
観劇
マリーアントワネット→花總まり
マルグリット→ソニン
フェルセン→古川雄大
ルイ16世→原田優一
で、DVDは
マリーアントワネット→笹本玲奈
マルグリット→ソニン
フェルセン→古川雄大
ソニンとゆんが共通なので、このお二人のリアクションを軸に違いを考えることになります。
お花様マリー
わたしメルヘン生まれメルヘン育ちゆるふわした奴全員友達!って感じの浮世離れした無邪気なマリー。1幕は良くも悪くも無知で軽薄。メルヘンに生まれ育っているので現実に生きる人々との会話が全く成立していない笑
あまりに話が噛み合わないからソニンマルグリットは笹本マリーの時よりもかなりイラついてやさぐれていました笑
笹本マリーはマルグリットの発言の内容に傷付くのに対し、お花様マリーは貧民が王家や王妃に対して侮辱する発言をしている事実に腹を立てたり理解していなかったりという感じ。
生まれ持った王妃の気品と存在感とプライドを強く感じました。めちゃくちゃ自然なロイヤル顔。だからこそ2幕は母親としての部分よりは、王妃の務めに目覚め最期まで誇り高い王妃という感じであったなと感じました。
2幕で息子が取り上げられる時の感情が母親と言うよりは王妃として
「王子に触らないで!(あなたが気安く触れて良い存在ではない)」という感じ。
2幕最後の方の裁判のシーン、あらぬ罪を並べ立てられる中で歌う
「私の罪はプライドと無知、そして人の善意を信じすぎたこと」は、それ以外の罪は認めないし私が言うまでもないという誇り高さを感じました。
マリー感が強かったのはお花様かな。
笹本マリー
オーストリア生まれ政略結婚でフランスに嫁いだのでプライドで武装しています!って感じのマリー。笹本マリーはとても人間らしいマリーでした。メルヘンに生きている訳では無いし賢いのである程度現実も分かっているのでしょうけれど、辛くてメルヘンに現実逃避しているという感じ。分かっているけれど分からない振りをしたりプライドで着飾ったりしているので、かなり傷付きやすい人で、マルグリットから罵倒された中身に多少傷付いているように感じました。
お花様マリーは「なんだかよく分からないけれどお腹が空いてイライラしているのよね〜」と本気で分からない感じ。中身を聞いてない笑
なので、マルグリットが明確にそこを突いてくる。それをプライドで弾き返すバトルなので、喧嘩が噛み合う!笑 落ち着いて会話したら妥協点が見いだせそうなのはこっち。(お花様マリーとは会話軸が違うのでお話になってないから解決もしなさそう…。)
だから1幕頭のなんという王妃辺りに漂う、頑張って気品出してます感もそれでいくと納得。2幕では現実に目覚めて母親としての役割に目覚めて行く感じでした。
前述の王子が連れ去られるシーンでは
「どうか私の子に触らないで!」という感じでした。
また、前述の
「私の罪はプライドと無知、そして人の善意を信じすぎたこと」
は、笹本マリーの懺悔のように感じました。並べ立てられた嘘は私のプライドと無知と人の善意を信じすぎたことから招いたと認め後悔しているように感じました。
好みで言うとお花様ソニンの組み合わせが良かったですけれど、笹本マリーもまた違う色で人間らしくて良かったです。
あと好きすぎて書けなかったんですけど、ほんっとにソニンのマルグリットがめちゃくちゃに良かった。はちゃめちゃに良かった。好きすぎた。
「道端で暮らしているのは、汚いのが大好きだからぁ〜!飢えているのは食べるのが嫌いだから?ボロを着ているのはこれが最先端のファッションだからですよぉ〜」のやさぐれ方が鬼好き。そこから続く、なぜ違うの なぜ が号泣ソング。めっっっっちゃ好き。
あと、関係ないっちゃ無いけど、アンサンブルはあかんかった…。ソニンにパワーで頼りっぱなしな印象で、もう許さないの爆発力とかもソニンだけやし100万のキャンドルなんかかなりアッサリ終わったし…。DVD見てたらかなり場違いな表情をしてるアンサンブル多かったし…。パワー不足否めなかった。